老眼の原因と視力回復法

眼の水晶体は、無色透明で弾力に富み、凸レンズの形をしています。特に子どもの水晶体は調節機能が高く、近点(焦点を合わせられる距離)はわずか5センチです。5センチ先の文字がしっかり読めることを意味します。

けれども30歳を過ぎるころから調節力は衰えはじめ、35歳の近点は約20センチ、45歳では約35センチになり小さな文字が見づらくなります。加齢によって近くのものが見えにくくなることを「調節障害」と呼んでいます。

では、なぜ加齢によって水晶体は変化していくのでしょうか。

水晶体は、中心にある「核」、その周囲の「水晶体皮質」、いちばん外側の「水晶体嚢」と3つの部分でできています。 「水晶体皮質」は「水晶体練維」という細長い線維状の細胞でできています。この細胞は常に新陳代謝が繰り返され、新しい細胞が古い細胞(線維)にとって代わります。

不要になった古い細胞は徐々に中心部の核に集められます。年をとるに従って古い線維は硬くなり、硬い部分は大きくなっていきます。これが水晶体の老化現象で、そのはじまりが30歳ぐらいなのです。

核が硬くなれば弾力性が失われます。そして弾力性が失われると、レンズを厚くしたり薄くしたりする調節力が働きにくくなります。これが万人に訪れる現象、すなわち老眼の原因なのです。

老眼による視力低下は近年、だんだん前倒しになってきていて、40歳前からはじまります。30センチ以上離さないと新聞が読めなくなったら老眼(老視ともいいます)がはじまったと考えてよいでしょう。

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2018年3月

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